コネクタが基板から取れてしまって、電源が入らなくなった。
指で基盤に押さえつけると、電源が入ることを確認済みですが、直せるでしょうか。
とのお問い合わせ。
取れてしまったコネクタは、キーボードの下とのこと。
さらに、コネクタが取れてしまうことの原因となった、ハードディスクからSSDへの交換の依頼も。
コネクタの画像を送っていただけたので確認すると、半田がはがれて、基板から取れてしまっている様態。
ただ、端子部分は、ほぼ原形のまま残っていたので、再取付けを試してみることに。
条件として、取付けの失敗や、作業をすることによって、さらにコネクタを破損させてしまうこともあり得ることを了承頂きました。
その日の夕方に持ち込まれた。
ノートは、NECの
VersaPro VF-5
Core i7 の第7世代
Windows10
早速、状況を確認するために、キーボード取外しから。。。
その前に、いつものお約束。
レポートでは、配線やケーブル、コネクタ類の取り外しは、特に注意が必要となるもの以外は記載していません。
作業中、適時、外すようにします。
また、作業後、数日~数ヶ月後に画像と記憶をたよりに記載しています。
間違いや、手順が前後逆だったり抜けている場合もあると思います。
あらかじめご了承ください
キーボードを固定している、本体底面の青丸のネジを外します↓
オレンジ丸は、DVDドライブ固定用(外すと引っ張り出せます)。
その他のピンク丸は、上面カバー取外しの際に外します。
→ハードディスクからSSDへの交換は、上面カバーを取り外す必要があります。
メモリスロット部分のカバー内には、CMOS保存用のボタン電池有り↓
電池ホルダーでの取付けなので、交換はかなり容易。
全てのノートパソコンがこのような構造になっているといいのですが、、、
キーボードのディスプレイ側の隙間をあけるようにこじって、浮かせていき↓
基板への配線に気を付けながら、取外します。
キーボードを取り外した状態。
矢印の位置に、はがれてしまったコネクタが有ります↓
カバー取外しの際は、キーボード下のネジ5本も外しましたが、、、
CPUファン傍の短いネジ2本は、CPUファンの固定用だったかも、しれません。。。
基盤からはがれてしまったコネクタのアップ↓
端子部分は、きれいに残っています。
手前に固定用に張られていた黒いテープ。
カバーを取り外すには、このテープもはがして、コネクタからケーブルを抜く必要が有りますが、、、
まさかの、テープにコネクタがくっついてしまっていた状態だったのでしょうね。
コネクタを固定するために、両面テープを基盤にはって↓
この両面テープは、カー用品用の超強力(と書かれている)テープ。
高温にも強いのでうってつけ。
両面テープの厚み分、コネクタの端子部分も浮いてしまうので、あらかじめ、基板の半田部分に追加の半田を盛っています。
コネクタを基盤に押し付け固定↓
盛った半田に端子部分がくっついているので、うまくいきそうな予感。
でしたが、、、
実際に半田付けを行ってみると、手前のコネクタと左側(ディスプレイ側)のカバーの厚みのため半田ごての角度が制限されてしまい、当初思っていたより難易度が高くなりました。
少しでも作業を行いやすくするために、ここで上面カバーを取りはずししています。
カバーから電源ボタン部分を取り外し、はがれてしまったコネクタにつないだ状態で半田作業↓
テスターで、半田付け不良やショートが無いことを確認。
ACアダプタを繋いで、電源ON↓
BIOSが起動したので、修理成功ですね。
ところで、CPUクーラーは、基板の裏側に取付けられているので↓
クーラーの掃除やメンテナンスは、基盤も取り外す必要有りです。
続いては、ハードディスクからSSDへの移行作業。
ハードディスクを取り外す前に、Cドライブのクリーンアップとデフラグを実施。
ハードディスクの位置はここ↓
DVDドライブの手前、使用時の右手の下あたりに有ります。
ネジ3本を外して、マウンタごと取外し。
SMARTに異常はありませんでした。
左側が持ち込まれたSSD↓
どちらも、Western Digital のブルーシリーズ。
アクロニスでイメージコピーを行い正常終了。
マウンタをSSDに取り付けています。
SSDをノートへ取付け↓
第7世代のCoreiが載っているので、基板の裏側には、M.2 のスロットが有る、、、のかもしれません(未確認)。
電源ONで、BIOSでのSSDの認識を確認。
本体内のほこりをきれいにして、全て元通り組み立て。
Windows起動OK↓
を確認し作業完了。
すでにお引渡し済み。
2023年、最後の対応作業となりました。
ありがとうございます。
パソコン診療所
うえはら