2023年02月08日
購入したATX電源の電解コンデンサ交換
自宅用のパソコンでゲームを楽しんでいると、何の前触れもなく、「ふっ」と電源が落ちました。
電源ボタンを押しても、LEDは点灯するものの電源は入らない。
いったんコンセントを抜いて、何度かONを繰り返して放電。
コンセントを繋いで電源ONで、画面が表示されて起動開始。
ゲームの続きをしようとサイトにログイン。
ゲームを起動し、画面が表示されたところで、再度電源落ち。
上記の作業を繰り返し、電源が入りましたが、今度はWindowsの起動途中で落ちる。
さらに繰り返して起動しますが、Windowsの起動に入る前に落ちる、、、
徐々に、不具合がひどくなっていますね。
その日は、ゲームを諦めパソコンを放置。
次の日、電源ON OK
Windowsも起動し、ゲームもOK。
大丈夫かな、、、と思っていたところ、1時間ぐらいで電源落ち。
前日と同じ状況になりました。
翌日、チェック用に使用しているATX電源に交換。
Windows起動、ゲームもOK。
落ちることはありませんでした。
と言うことで、電源を交換することに。
これまで使用していたのは、
Antec の TRUEPOWER 750 TP-750
2009年ごろ発売の製品で、2011年の夏にヤフオクで落札購入したもの。
→出品者は、福島か宮城あたりの方で、沿岸部ではありませんでしたが東日本大震災に被災されていました。
12年以上ほぼ毎日働いていてくれたので、そろそろ、選手交代をしてもいい時期ですね。
中古を探して、ヤフオクで見つけたのが、
CoolerMaster の V750 RS-750-AMAA-G1 ↓

https://www.coolermaster.com/jp/ja-jp/catalog/legacy-products/power/v750s/
上記ページでは、”V750s”となっていますが、マイナーアップデートがあった恐れがあります。
→過去製品に V750 は無く、商品説明に「Coreiの第4世代」が出てくることから、V750販売当時(2014年)の説明のままと予想されます。
CoolerMaster は、名前の通り、冷却関連が本業のはずで、パソコンケース等も見かけることがありますが、電源に関してはどうかな、、、と思いましたが、商品説明や評判(悪い評価が時々見られる)をみて、価格との兼ね合いから購入を決定。
ドライブ用の電源コードのみがプラグイン(着脱式)方式で、3本付属となっていました(1本欠品は織り込み済み)
各電圧の容量↓

定格750W。
1系統の12Vライン。
→3.3Vと5Vは、12VからDC-DCコンバータで供給しているらしい。
80PLUS GOLD認証 の高効率製品です。
電源単体での通電、各電圧確認。
さらに、マザーボードにつないでBIOS起動を確認。
自宅PCに使用する前に、電源内を確認、メンテナンスを行います。
ネジ4本を外して、ファンが付いているカバー部分を外します。
ファンからの電源コネクタを外すと、完全に分離できます↓

コネクタの上の四角い物体はケースに張り付いていますが、基盤を外す際、分離しています。
電源内の状態↓

ほこりをきれいにした後。
コイルやトランスが多く使用されていますね。
大小2つのアルミ製ヒートシンク(放熱器)と、1次側の大きな電解コンデンサが目につきます。
DC-DCコンバータの辺り↓

個体コンデンサが見えますね。
メーカーサイトの商品ページには、「全て日本製のコンデンサを使用」と書かれていましたが、実際に見てみると、
nichicon(てっぺんの圧力弁が+):https://www.nichicon.co.jp/
Rubycon(てっぺんの圧力弁がK):https://www.rubycon.co.jp/
Suncon(プラグイン基盤に使用):https://www.sunelec.co.jp/jp/
unicon(個体コンデンサ):http://www.uniconcap.co.jp/index.php?lang=jp
の4社製で全て日本製でした。
また、確認した限り全て105℃品
とすると、劣化したコンデンサは無いかもと思っていたら、、、1つだけ有りました↓

中央右のRubycon(てっぺんがK)の頭が膨らんでいます。
劣化コンデンサは小さなヒートシンクの真下にあり、パソコン内に接続する電源コードの束もあるので、場所的に難易度は高め。
しかし、見つけてしまったので、交換しなければなりません。
基盤と、プラグイン用の小さな基盤を取り外します。
プラグイン用の基盤↓

緑色の小さな電解コンデンサがSuncon
劣化コンデンサを、どうにか取り外しました(真ん中)↓

ルビコンのYXG 25V100μF
調べてみると、低インピーダンス品でした↓
https://www.rubycon.co.jp/products/al-radial-lead/series
耐電圧や容量からすると、一般的な平滑コンデンサとはちょっと違う役割をしているかも。
→確たる根拠はありませんが。。。
廃棄用の不具合マザーボードから”YXA”(上画像左側)を見つけましたが、汎用品なので、できれば使用したくない。
いろいろと不具合の基盤を見ていると、ニッケミのKZEを発見(上画像右側)
KZE25V100μFは、インピーダンス:0.13オーム/定格リプル電流:405mA/耐久性:2000h
YXG25V100μFは、インピーダンス:0.22オーム/定格リプル電流:340mA/耐久性:3000h
耐久性以外は、KZEが上、、、かな。
交換に使用することに決定。
作業がしづらく苦労しましたが、ニッケミKZEを基盤に半田付け↓

すぐ隣には、ちょっと大き目なRubycon。
さらに、その横には、ニチコンの16V2200μFが2本
基盤を元通り取り付けて、電源ONを確認。
電源のケースも閉じて、パソコンに取り付け↓

マザーボードで、電源ONを確認。
各電圧とも規定値通りの値↓

12V以外は、きちんと「電圧変動+-1%」以内に収まっていますね。
→12Vも誤差の範囲、高い方に寄っているので問題無し。
Windowsの起動も確認↓

交換当日夜、ゲームを1時間ほどしましたが、特に不具合は出ませんでした。
これで、自宅のパソコン復活です。
ただ、今回交換に使用した中古電解コンデンサでは心もとないので、ネットでXYGを探して購入↓
https://www.monotaro.com/p/4752/0866/?t.q=%28%83%8B%83r%83R%83%93%20rubycon%29
25V品は無かったので、35V品の10個入り。送料含めて1000円余り。
→大きさ的に少し太くなりますが、取り付け可能、、、の予定。
→大きくなると、なぜか耐久性も少し上がるおまけ付き。
XYGより長寿命品のXYHシリーズもありましたが、2000個単位での販売なのでパス。
来年の今頃、再交換する予定。
お疲れ様のantec電源750Wの内部↓

目視での確認ですが、特に異常らしい異常は見当たりませんでした。。。
** 2023年7月31日 追記 **
Antecを廃棄するため、分解。
基盤の裏側を見てみると、異常有り↓

異常のある辺りを拡大↓

矢印のチップ部品にあきらかな異常が有りました。
*********
今回購入したクーラーマスター電源と同じ容量ですが、ヒートシンクが多くあることが確認できます(ピンク丸や四角)
antec電源は、80PLUSのブロンズ認証。
特性上、クーラーマスター電源より変換効率が落ちるので、その分多くなる発熱に対応するためとも考えられます。
また、冷却用のファンは、どちらも一般的な12cmですが、
クーラーマスターは0.3A
アンテックは0.37A
が付いています。
やはり、発熱対策のため、アンテックのほうがより強力なファンが付いていると考えられます。
ゴールド認証電源で、今後、少しは電気代が安くなる、、、かも。
パソコン診療所
うえはら
電源ボタンを押しても、LEDは点灯するものの電源は入らない。
いったんコンセントを抜いて、何度かONを繰り返して放電。
コンセントを繋いで電源ONで、画面が表示されて起動開始。
ゲームの続きをしようとサイトにログイン。
ゲームを起動し、画面が表示されたところで、再度電源落ち。
上記の作業を繰り返し、電源が入りましたが、今度はWindowsの起動途中で落ちる。
さらに繰り返して起動しますが、Windowsの起動に入る前に落ちる、、、
徐々に、不具合がひどくなっていますね。
その日は、ゲームを諦めパソコンを放置。
次の日、電源ON OK
Windowsも起動し、ゲームもOK。
大丈夫かな、、、と思っていたところ、1時間ぐらいで電源落ち。
前日と同じ状況になりました。
翌日、チェック用に使用しているATX電源に交換。
Windows起動、ゲームもOK。
落ちることはありませんでした。
と言うことで、電源を交換することに。
これまで使用していたのは、
Antec の TRUEPOWER 750 TP-750
2009年ごろ発売の製品で、2011年の夏にヤフオクで落札購入したもの。
→出品者は、福島か宮城あたりの方で、沿岸部ではありませんでしたが東日本大震災に被災されていました。
12年以上ほぼ毎日働いていてくれたので、そろそろ、選手交代をしてもいい時期ですね。
中古を探して、ヤフオクで見つけたのが、
CoolerMaster の V750 RS-750-AMAA-G1 ↓
https://www.coolermaster.com/jp/ja-jp/catalog/legacy-products/power/v750s/
上記ページでは、”V750s”となっていますが、マイナーアップデートがあった恐れがあります。
→過去製品に V750 は無く、商品説明に「Coreiの第4世代」が出てくることから、V750販売当時(2014年)の説明のままと予想されます。
CoolerMaster は、名前の通り、冷却関連が本業のはずで、パソコンケース等も見かけることがありますが、電源に関してはどうかな、、、と思いましたが、商品説明や評判(悪い評価が時々見られる)をみて、価格との兼ね合いから購入を決定。
ドライブ用の電源コードのみがプラグイン(着脱式)方式で、3本付属となっていました(1本欠品は織り込み済み)
各電圧の容量↓
定格750W。
1系統の12Vライン。
→3.3Vと5Vは、12VからDC-DCコンバータで供給しているらしい。
80PLUS GOLD認証 の高効率製品です。
電源単体での通電、各電圧確認。
さらに、マザーボードにつないでBIOS起動を確認。
自宅PCに使用する前に、電源内を確認、メンテナンスを行います。
ネジ4本を外して、ファンが付いているカバー部分を外します。
ファンからの電源コネクタを外すと、完全に分離できます↓
コネクタの上の四角い物体はケースに張り付いていますが、基盤を外す際、分離しています。
電源内の状態↓
ほこりをきれいにした後。
コイルやトランスが多く使用されていますね。
大小2つのアルミ製ヒートシンク(放熱器)と、1次側の大きな電解コンデンサが目につきます。
DC-DCコンバータの辺り↓
個体コンデンサが見えますね。
メーカーサイトの商品ページには、「全て日本製のコンデンサを使用」と書かれていましたが、実際に見てみると、
nichicon(てっぺんの圧力弁が+):https://www.nichicon.co.jp/
Rubycon(てっぺんの圧力弁がK):https://www.rubycon.co.jp/
Suncon(プラグイン基盤に使用):https://www.sunelec.co.jp/jp/
unicon(個体コンデンサ):http://www.uniconcap.co.jp/index.php?lang=jp
の4社製で全て日本製でした。
また、確認した限り全て105℃品
とすると、劣化したコンデンサは無いかもと思っていたら、、、1つだけ有りました↓
中央右のRubycon(てっぺんがK)の頭が膨らんでいます。
劣化コンデンサは小さなヒートシンクの真下にあり、パソコン内に接続する電源コードの束もあるので、場所的に難易度は高め。
しかし、見つけてしまったので、交換しなければなりません。
基盤と、プラグイン用の小さな基盤を取り外します。
プラグイン用の基盤↓
緑色の小さな電解コンデンサがSuncon
劣化コンデンサを、どうにか取り外しました(真ん中)↓
ルビコンのYXG 25V100μF
調べてみると、低インピーダンス品でした↓
https://www.rubycon.co.jp/products/al-radial-lead/series
耐電圧や容量からすると、一般的な平滑コンデンサとはちょっと違う役割をしているかも。
→確たる根拠はありませんが。。。
廃棄用の不具合マザーボードから”YXA”(上画像左側)を見つけましたが、汎用品なので、できれば使用したくない。
いろいろと不具合の基盤を見ていると、ニッケミのKZEを発見(上画像右側)
KZE25V100μFは、インピーダンス:0.13オーム/定格リプル電流:405mA/耐久性:2000h
YXG25V100μFは、インピーダンス:0.22オーム/定格リプル電流:340mA/耐久性:3000h
耐久性以外は、KZEが上、、、かな。
交換に使用することに決定。
作業がしづらく苦労しましたが、ニッケミKZEを基盤に半田付け↓
すぐ隣には、ちょっと大き目なRubycon。
さらに、その横には、ニチコンの16V2200μFが2本
基盤を元通り取り付けて、電源ONを確認。
電源のケースも閉じて、パソコンに取り付け↓
マザーボードで、電源ONを確認。
各電圧とも規定値通りの値↓
12V以外は、きちんと「電圧変動+-1%」以内に収まっていますね。
→12Vも誤差の範囲、高い方に寄っているので問題無し。
Windowsの起動も確認↓
交換当日夜、ゲームを1時間ほどしましたが、特に不具合は出ませんでした。
これで、自宅のパソコン復活です。
ただ、今回交換に使用した中古電解コンデンサでは心もとないので、ネットでXYGを探して購入↓
https://www.monotaro.com/p/4752/0866/?t.q=%28%83%8B%83r%83R%83%93%20rubycon%29
25V品は無かったので、35V品の10個入り。送料含めて1000円余り。
→大きさ的に少し太くなりますが、取り付け可能、、、の予定。
→大きくなると、なぜか耐久性も少し上がるおまけ付き。
XYGより長寿命品のXYHシリーズもありましたが、2000個単位での販売なのでパス。
来年の今頃、再交換する予定。
お疲れ様のantec電源750Wの内部↓
目視での確認ですが、特に異常らしい異常は見当たりませんでした。。。
** 2023年7月31日 追記 **
Antecを廃棄するため、分解。
基盤の裏側を見てみると、異常有り↓
異常のある辺りを拡大↓
矢印のチップ部品にあきらかな異常が有りました。
*********
今回購入したクーラーマスター電源と同じ容量ですが、ヒートシンクが多くあることが確認できます(ピンク丸や四角)
antec電源は、80PLUSのブロンズ認証。
特性上、クーラーマスター電源より変換効率が落ちるので、その分多くなる発熱に対応するためとも考えられます。
また、冷却用のファンは、どちらも一般的な12cmですが、
クーラーマスターは0.3A
アンテックは0.37A
が付いています。
やはり、発熱対策のため、アンテックのほうがより強力なファンが付いていると考えられます。
ゴールド認証電源で、今後、少しは電気代が安くなる、、、かも。
パソコン診療所
うえはら
Posted by パソコン診療所 at 11:41│Comments(0)
│修理報告(その他)